山口県立大学 国際文化学部 林 炫情 研究室

Yamaguchi Prefectural University - Lim Hyunjung

社会言語学外国語教育を専門としており、社会と言語の関係を探る研究
第二言語習得教材開発などの外国語教育を軸とした研究教育活動を行なっています。

社会言語学外国語教育を専門としており、社会と言語の関係を探る研究第二言語習得教材開発などの外国語教育を軸とした研究教育活動を行なっています。

Profile

教員紹介

林 炫情 / Lim Hyunjung

林 炫情

学歴

1998年 3月
広島大学大学院国際協力研究科
教育文化専攻博士課程前期修了(修士取得)
2002年 3月
広島大学大学院国際協力研究科
教育文化専攻博士課程後期修了(Ph.D取得)

職歴

2002年4月 ~ 2005年3月
広島大学大学院 国際協力研究科 特別研究員
2002年9月 ~ 2004年8月
日本学術振興会外国人 特別研究員
2005年4月 ~ 2007年3月
広島修道大学 人間環境学部 助教授
2007年4月 ~ 2013年3月
山口県立大学 国際文化学部
同大学院 国際文化学研究科 准教授
2013年4月 ~ 現在
山口県立大学 国際文化学部
同大学院 国際文化学研究科 教授
****
2016年8月 ~ 2017年1月
中国大連外国語大学 外国語教育 専門教員
2020年5月 ~ 2020年7月
早稲田大学 高等研究所 訪問学者

研究内容・活動

社会のさまざまな要因と言語の関係を探る研究、外国語教育に関わる研究を軸にした研究活動を行っています。研究業績や、研究に関連した社会的活動等の詳細については、研究者データベースを参照してください。

▼社会のさまざまな要因と言語の関係を探る研究
私が研究している社会言語学は、社会の中でのことばの役割、ことばと社会との関係について分析する学問です。人が話す言葉は、その人が受けてきた言語教育、職業、社会的立場、アイデンティティーなどといったさまざまな社会的要因から影響を受けています。また、ことばは常に変化しますが、その変化は、社会的な状況が原因となって起こることが少なくありません。社会言語学では、ことばが変化する際のメカニズムの解明にも焦点を当てています。例えば、方言と共通語の関係、敬語を使ったコミュニケーション、若者ことば、言語政策など、社会と関わる言語現象は全てが研究の対象となります。
私は、なかでも、日本語と韓国語における呼称の使い分けに及ぼす社会的要因や第二言語学習者の呼称使用のストラテジーに対して母語話者はどのように感じるのかをテーマにした研究を重ねてきました。最近は、社会的迷惑場面の言語行為に社会文化的規範や個人のコミュニケーションがどのように影響しているかをテーマにした研究に取り組んでいます。

▼外国語教育に関する研究
外国語教育においては、言語と教育を中心に、第2言語習得や認知言語学、そして教育工学的手法を用いて学習者コーパスやテスト開発、e-ラーニングを用いた教育実践を行い、その効果検証について統計解析によるデータ分析を行うというスタイルの研究を行ってきました。現在は、韓国語リーダビリティ測定尺度を活用し文章難易度を自動判定するwebシステム「kReadability」の開発に取り組んでいます。
グローバル化が加速しているなか、現在の言語教育には、流暢で円滑なコミュニケーションを目指す「言語訓練」や「コミュニケーション・スキル」の育成から一歩進んで、言語「教育」の「内容」が求められています。近年ヨーロッパや北米では、教科内容と外国語学習を統合し、質の高い外国語教育の実現を目指す「内容言語統合型学習(Content and Language Integrated Learning; CLIL)」が急速に広まっています。CLILは外国語であらわされた内容を外国語教育の手法を用いて学習し、外国語を「学習手段として使うことによって実践力を伸ばす」ことを特徴としています。単なる教養としての外国語学習ではなく、使えることばの学習に重点をおいた言語教育は、グローバル社会に適応した知識、態度や技能を効果的に提供するための学習形態に対応したアプローチであるといえます。CLILでは、非母語話者向けの言語学習用に作られた教材ではなく、母語話者対象に書かれたテキストを活用し、現実のコミュニケーションの場で役立つ言語能力の実態をリアルに学習者に伝えることが強く求められています。しかし、このような生教材は、学習者にとっての難易度が明らかでないため、どのような文章を、どのレベルの学習者に与えるべきかという問題が生じます。こうした問題に対して、「kReadability」は、韓国語学習者のレベルに見合った良質の教材を提供するだけではなく、教員の教材準備の手間や生教材の選別においての不安要素の軽減が期待できます。

新たなプロジェクト

▼「オンライン学習による日本語初期指導カリキュラム開発・検証事業」
本事業は、2022年4月より山口県教育庁義務教育課との共同研究で実施しているもので、インターネットを活用した遠隔支援システムによる日本語の支援体制の充実に向け、オンライン学習による日本語初期指導カリキュラム開発・検証のための基礎研究です。本事業の主な内容としては、(1)日本語指導を必要とする児童生徒のための日本語初期指導カリキュラムの開発と検証、(2)日本語教師養成の教育カリキュラムの開発と検証です。今後、日本語指導を必要とする児童生徒への支援の充実、そして日本語教師養成課程をカリキュラムの充実を図りながら、多文化共生社会の実現に向け地域人材の活用を図っていきたいと考えています。

▼「日本語学習者の迷惑場面における認知と言語行為:日中韓比較と日本人母語話者の評価」研究
本研究はJSPS科研費22K00642の助成を受けたものです。研究期間:2022年度~2025年度(研究代表:林炫情)
言語行為は潜在的な価値観、信念、文化的前提などを反映しています。ある種の行為が迷惑だと認知され、それが迷惑であると判断される基準としては、その社会・文化に共通した意識の総体としての「社会的合意」が判断の前提となります。しかしながら、ある社会文化では迷惑だと思われることでも、他の社会文化では受け入れられる場合もあります。したがって、社会的合意は個人の心理的な側面とともに、その個人が属する社会文化によっても異なる可能性があります。そのため、外国人が日本で生活するにあたり、迷惑と感じられる場面を認知し、注意を促したり、あるいは謝ったりする行動をどう起こすべきか、母国と日本の社会・文化の違いから、判断するのが難しいことが予想されます。
本研究の目的は、迷惑場面における認知と注意行為、そして注意に対する謝り行為に注目し、語用論的枠組みを用いて日本人・中国人・韓国人の特徴を明らかにする。また、第二言語習得語用論の観点から、中国語と韓国語を母語とする日本語学習者における語用論的転移の特徴と母語話者の評価に関する横断的調査を実施し実証的に究明することです。最終的には、これらを通して、日本語学習者の語用論的能力の育成を目指した日本語教育のシラバスやカリキュラム作成への提言および日本社会が目指す多文化共生に示唆を与えることを目指しています。

Selected Courses

担当授業

日本語教育を柱として、日本語研究や日本語教育資格取得を目指す学生の学習過程を組み立てています

授業紹介は、2022年度の各科目シラバスから抜粋したものです(年度により、内容を調整する場合があります)。
履修計画を⽴てる学生は、必ず2年次に配布する日本語教師のためのキャリアパスや、各年度のシラバスで、具体的な授業計画等の詳細を確認してください。

大学院科目

言語文化特講Ⅲ

日本語における言語と文化の特徴を日本語教育の観点から考察することを目的とする。授業では、講義や議論を通して、日本語を教える上で必要となる言語と文化に関する知識、日本語教授の知識、日本語教育の背景を成す事項に関わる基本的な知識に加え、教育実践のための技能や態度を身に付ける。また、日本語教育の諸問題に関する文献を読み解くリテラシーと教育実践への対応力を発展させ、自分で情報を収集し、評価できることを目指す。

国際文化学研究

学生が選んだテーマに即して、研究計画書にそって修士論文・修士制作に向けた指導を行う。自らが発見・分析した問題の解決に資する方法を見出し、提案し、多角的な視点からの批評を得ることを通して、国際文化学についての知見を修得することを目的とする。

学部科目

日本語教育入門

日本語を母語としない人たちを対象とする日本語教育に関する基本的な認識を形成することを目的とする。授業では、外国人から見た日本語についてや、日本語を外国語として教えるための基礎的な事項を理解し学ぶことで、日本語教師に求められる基本的な知識・技能・態度を身に付けることを目指す。到達目標は、日本語教育をグローバルな視点で考えることができる。

社会言語学

社会言語学は社会の中でのことばの役割、ことばと社会との関係のなかで言語現象と言語運用を捉えようとする学問である。授業では、社会言語学の全体像を学び、社会言語学の方法に基づいて自分の直面する言語現象を理解し、言語問題を解決できるようになることを目指す。社会と言葉はどのような関係があるのか。社会と言葉との関係について考えるきっかけになることを期待したい。到達目標は、自分が使っている言葉と社会の関係 について、考えることができる。

日本語教育実践演習

日本語教育に関する知識と実践を確認することを目指す。具体的には、実習の経験を活かして、多様な日本語教育のニーズに対応するための目的別の教材作成を行う。また、授業では、さまざまなタイプの模擬授業を計画し、実践する。本科目は、「日本語教育実習」を終えた学生が対象となる。到達目標は、日本語教育の実施方法が理解できる。様々なタイプの日本語教育活動を計画し、実践できる。

日本語教材・教具論

学習者の多様性を特徴とする日本語教育において、その具体的な学習手段である日本語教科書は、学習者のニーズに応じて選択される必要がある。教科書と教授法とは密接な関係があり、教科書の構成や練習問題に反映される。授業では、主教材である教科書の言語教育観を探り、それを特徴づける観点及び背景について学ぶ。到達目標は、様々な視点から日本語教科書を分析することができる。日本語教科書の実際の使い方を考えることができる。

日本語教育実習

日本語学習者に日本語を教えてみなければ、日本語教育の何たるかはわからない。日本語教育実習は、それを体験する重要な機会である。国内実習または海外実習を通して、日本語学習者の生の反応より、実習生自らが、学習者の躓きを知り、問題点の克服の仕方を考え、日本語の知識、教授法を習得する機会とする。到達目標は、日本語教育を指導するにはどのような知識や心構えが必要とされるのかを自ら学ぶことができる。なお、本科目の履修に当たっては別途履修条件を設けているので、必ず履修の手引きをよく確認すること。

Research

研究活動

KC Corpus

KC Corpus

韓国語学習者作文コーパス(Korean L2 Learners’ written Composition Corpus:以下、KC Corpus)」は韓国語の学習者コーパスです。日本語母語話者による韓国語の学習者データが収録されています。タグ付きコーパスですので、言語情報をもとに様々な検索ができます。また、作文データには教師による添削情報や誤用情報なども付与されています。KC Corpusは、韓国語学習者における産出的言語使用(作文)の問題点を客観的データに基づいて分析することが可能であり、分析結果を容易に教育現場へのフィードバックできるという点で、韓国語教育のための有効なツールです。また、韓国語教師の授業改善や教授法の支援はもちろんのこと、テスト問題の開発、カリキュラムの開発、学習者辞典の作成、韓国語学習者のための教科書の開発にも利用できます。

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kReadability

kReadability

kReadabilityは韓国語の文章難易度を判定するシステムです。kReadability は、以下の4つのゴールを目指してシステム開発を進めています。(1) 韓国語に特化したリーダビリティ測定ツールを開発すること、(2) 教師・学習者双方の支援となること、(3) 誰でも利用できることを前提とした使いやすいシステムを提供すること、(4) どこからでも利用できるようWeb ブラウザ上でユーザフレンドリーな検索環境を提供することです。
韓国語文章のテキストを入力すると、その難易度を5段階で判定します。詳細な文章情報を出力したり、テキストに含まれる単語リストの意味やレベルを表示したりする機能もあります。

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Education

教育活動

山口県立大学日本語教育研究室活動

山口県立大学日本語教育研究室活動

山口県立大学国際文化学部日本語教育研究室の学生の活動を紹介するブログです。ゼミでは、今後技能実習生や外国人児童に対する日本語教育支援を中心に、地域の日本語教育促進に貢献できる活動を目指していく予定です。本研究室のモットーは、「行動」と「創造」、そして教育者にとって重要な能力の一つである「マネジメント力」です。持続可能な学びを目指して「どのように学ぶかを学ぶ」に、ゼミ生とともに試行錯誤しながら奮闘していきたいと考えています。

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山口県立大学韓国語学研究室活動

山口県立大学韓国語学研究室活動

新YPU『韓国ジャーナル』は、山口県立大学国際文化学部韓国語学研究室の学生の活動を紹介したブログです。本ブログは教員の研究室変更に伴い、2022年3月を持ちまして閉じることになりました。しかし、ブログでアップした新YPU『韓国ジャーナル』は2010年10月から書いた過去記事のアーカイブとして残します。

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