韓国語 文章難易度判定システム「kReadability」について

2022.02.25

▼kReadability
http://asaokitan.net/kreadability/

kReadabilityは韓国語の文章難易度を判定するシステムです。kReadability は、以下の4つのゴールを目指してシステム開発を進めています。(1) 韓国語に特化したリーダビリティ測定ツールを開発すること、(2) 教師・学習者双方の支援となること、(3) 誰でも利用できることを前提とした使いやすいシステムを提供すること、(4) どこからでも利用できるようWeb ブラウザ上でユーザフレンドリーな検索環境を提供することです。

「kReadability」の基本設計は、日本語教育の読解教育用に開発された文章難易度の自動判定システム「jReadability」を基盤としています。特徴量としては文章のレベルを予測するうえで有用性が高いと思われるものを選択しています。例えば、「連体と終止の差」および「連体の頻度」は、レベルが上がるにつれて文が複雑になり、修飾語や関係節が増加することで、総形態素数に占める連体形の割合が上昇するであろうという予想に基づいています。最終的に、kReadabilityでは難易度を決定する要因として、①定数、②連体と終止の差、③連体の頻度、④名詞率、⑤派生述語率、⑥平均文長の6つの要素を取り上げています。また、難易度のスケールとしては、5段階のもの(入門、初級、中級、上級、超級)を設定しています。

kReadability 公式
y=7.570+名詞率-7.637+派生述語率1.831+平均文長-0.027+連体の頻度-5.970 +連体と終止の差異係数*-5.178(R 2 =.84)

kReadabilityに関するご質問やコメントはお問い合わせ欄をご利用ください。

【本システムを使用した研究を行う場合のお願い】
本システムを利用した研究成果を発表する際は、以下の文言を謝辞に追加してください。

本研究では、科研費(課題番号 19K00794)の成果物である「韓国語リーダビリティを活用した読解学習支援システムの構築(http://asaokitan.net/kreadability/)を利用した。

また、「kReadability」の詳細について引用する必要がある場合は、次のいずれかの論文を参考文献として掲載してください。

  • ・林炫情, 李在鎬 (2020)「リーダビリティ研究がもたらす新しい第二言語教育について」『WIAS Discussion Paper』2020-006.1-11. 早稲田大学高等研究所
  • ・淺尾仁彦, 林炫情, 李在鎬, 須賀井義教, 斉藤信浩 (2021)「韓国語文章リーダビリティ判定システム「kReadability」」『朝鮮語教育―理論と実践―』16. 5-18. 朝鮮語教育学会

本プロジェクトメンバー
林 炫情(研究代表者・山口県立大学)
李 在鎬(早稲田大学)
淺尾仁彦(国立研究開発法人情報通信研究機構ユニバーサルコミュニケーション研究所データ駆動知能システム研究センター)
須賀井義教(近畿大学)
斉藤信浩(九州大学)

謝辞
本プロジェクトは下記の補助を受けています。
研究種目と分野:基盤研究(C)外国語教育(2019-2021年度)
研究課題名:「韓国語リーダビリティを活用した読解学習支援システムの構築(課題番号:19K00794)